prologue

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『ーー2番線、電車が参ります。 危ないので黄色い線の内側にお立ちください。繰り返しますーー………』 聞きなれた駅のアナウンスが今日も流れている。 街を行く人々は皆、他人のことなど目に入っていないかのようにケータイに夢中だったり音楽を聴いていたり。 ゴオッーー…… 電車がホームに入る、まさにそのとき。 一人の少女がふらり、と黄色い線を超えた。 「ーーっっ!!危ない!!」 誰かが叫んだ。 今まで見向きもしていなかった人々が一斉に声のした方向へ振り向いた。 そこには、間一髪、女の子を抱きとめてホームに座り込む青年の姿があった。
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