第1章

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 誰もいない世界だった。  進みすぎた文明のなれの果て、戦いの爪痕だけが、あった。  そこに興味を示すものはなく、広大な宇宙で塵芥と同じに捨て置かれた。  歴史や人々の記憶、あるいはわずかに残った動植物。探せば見つかるもののはずだった。  けれどもそこに触れるものはなく、それらは存在しないと同じだった。  故に、何もない世界だった。  物語は生まれず、残っても朽ちても、何ら意味を成さない世界。    遠い遠い過去、そこは地球と呼ばれていた場所なのかもしれなかった。  だが、そこに興味を示すものはなかった。
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