一章 ほとぎ ひなの日常

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「すげぇ!!」とか褒められてたけど、なんなんだろ。 でも、うなづくと若王子君が笑顔になる。 もうそれだけでよかった。 バスに乗り、ちょっとだけ一緒にいて。 先に降りちゃった若王子君を見送って。 テンパりすぎて、連絡先聞きそびれて泣いちゃって。 家に帰ったら、ドッと疲れて晩ご飯食べずに寝て。 夢だったんだよね。 彼から香る、爽やかな匂い。 屈託ない笑顔。 いい夢だった。明日も頑張ろう……大事な日だし。 その日は、夢を見なかった。でも、夢見心地だった。 でも……朝目覚めたら。 暗かった。
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