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……うん。
何も起こらない。
主に若王子君の事で、眠れなくて寝不足だった。
腫れぼったい目をこすって、伸びをする。
そういえば、いつから若王子君の事……気になったんだろう?
「ふぁ~~」
「ひな、ご飯できたわよ」
お母さんだ。
「はーい」
居間に降りると、2人分の朝食が出来上がっていた。
えびピラフに、シーザーサラダ、トマトの輪切りのスライス、ゆで卵。
「お母さん、作り過ぎだよ。2人分だよ、2人分。今お父さんいないんだから、残しちゃうでしょ」
「ひなは食べ盛りなんだから、いけるでしょ。身長だって伸びないじゃない」
ピラフに立ち向かう前に、シーザーサラダを手を付ける。ウーロン茶もついで、準備は万端。
「去年に比べて、3センチくらい伸びたもん」
「そうだったっけ……ホントあっという間ね、ひながもうこんなに大きくなって……痛っ」
「大丈夫、お母さん」
「……うん、いつもの奴だから」
頭をおさえ、苦しそうな表情をしている。
お父さんが出張中で、日中ファーストフードのハンバーガー屋で、立ち仕事をしているお母さん。
仕事、大変なのに朝ご飯をちゃんと作ってくれる。
……食べよう。
自分に出来るのは、元気で料理を残さず食べる事。
全部食べ終えた私は学校へ向かう。
杉並木を通って、いつもと同じ学校への上り坂。
でも、今日は違う。
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