猫とアルミホイル

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猫とアルミホイル

いっそ猫になりたい。 と30代にしてメンヘラを発動させるほど 泥沼化していた離婚騒動もだいぶ落ち着き、今は膠着状態。 通常と思われる時間を過ごすよう心がけています。 完全なる猫派の私。 飼い主の好きなお菓子を持っていく事を理由に、猫様に癒されに行こう! と言う訳でもないけど、大量にチョコがあったためいそいそと猫様に逢いに。。 案の定飼い主は喜んで迎え入れてくれ、 私も猫様に久しぶりのご対面。 あーもふもふ。 肉球ぷにぷに。 香ばしいような何とも言えない匂い。 こんな物が家の中にいるなんてー! やっぱり猫の居る生活したいわー。 ひとしきり追いかけ回して、チョコレートを食べようとアルミを剥がすと、猫様目が爛々としてるではないですか。 「猫ってチョコ食べると中毒起こすんだよね」 へぇ。 そうなのか。 中毒性がある物には惹かれてしまうのねー。 と思っていたが、どうもそれだけじゃない様子。 剥がしたアルミホイルのキラキラ、ヒラヒラ感に興味津々な猫様。 チョコの部分が着かないように、アルミホイルを千切って置いてみるとすぐさま様子を伺いにいらっしゃった。 思いがけず猫様への献上品を持ち込めた事に喜びを隠せない私。 しかし猫様、アルミホイルに歯を立てて噛み噛みしてるではないか。 「見てたら口の中、いーっっ!てなるわ!」 猫様とは味覚の構造が違うのだろうか。 平気でホイルを、噛み噛みしている。 何だろね。あの感じ。 口の中で突然電子音が鳴り響く感じ。 違和感を超えたちょっとした衝撃。 うっかりアルミホイルのかなり苦手な私は見てるだけでゾワゾワしてしまう。 猫と人間は種族も違うけど、 人間同士でもどうしても受け入れられない事ってあるんだよなー。 なるべく色んな事を受け入れて、 理解しようとしてきたつもりだったけど、 心の中に噛みホイルの「いーっっ!」感が残る事になってしまった。 何が正しくて、何が間違いか、結局は自分で判断して決定して行かなきゃいけない世の中で、歪みは絶対産まれてしまう訳で。 折り合いつけられない事もあったりする訳で。 結局猫様に癒されるだけの私でしかいられないんだろーなー。とすら思わずに、猫様に顔を埋めて、幸せを貪るのでした。
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