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「私メリーさん。今、交番の前にいるの」
「僕さとるくん。今、郵便局の前にいるよ」
「私メリーさん。今、ゴミ置き場にいるの」
「僕さとるくん。今、公園の前にいるよ」
「私メリーさん。今、あなたの家の前にいるの」
「僕さとるくん。今、きみの家の前にいるよ」
「私メリーさん。今、あなたのうしろにいるの」
「僕さとるくん。今、きみのうしろにいるよ」
鳴らなくなったケータイを固く握りしめて、俺は静かに息をのんだ。今、振り返れば、二つの都市伝説を目の当たりにできる。そう考えただけで身震いが起きた。
俺は振り返りたい衝動を必死に抑えながら、さとるくんに質問を投げかけた。
「さとるくん、さとるくん、さとるくん。今、あなたのとなりにメリーさんはいますか?」
直後、耳をつんざかんばかりの二つの悲鳴が……。
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