運命――

7/15
前へ
/205ページ
次へ
ニュースで『関東が数百年に一度の記録的な猛吹雪』とかで 仕事の軽トラで運搬中、確か山越えの最中に雪崩で立ち往生しちゃって。 吹雪が弱まるまで脇道から入った山頂付近の展望台パーキングで撤去が終わるのを待ってた。 で、気づいたら意識なくって、ちょっとした仮眠だったと思う。 「で、そのまま起きれなくなりましたとさ」 死因が分かってスッキリ。 ってわけでもないようで。 「幸、あんた……」 ふるふると身体を震わせるレーナ。 あれ、泣いちゃった? 「れ、レーナ、あのな?」 多分オロオロって言う表現が正しいと思う。 俺、女の涙に弱いのよ。 「何が起きれなくなりました~よ!バッカじゃないの!?」 パッと顔を上げたレーナはキッと睨んできた。 「いや、だからここ数ヶ月はレーナに会えない程忙しかったんだよ」 「だからってエンジンつけっぱで寝る!?ありえない!」 「仮眠のつもりだったし、道が直ったらすぐ移動するつもりでだな……」 「だからって!最近は連絡少なかったし!……何かあったのかと思ったわよ」 後半は顔を背けながら小さく唸るように呟く。 「え、心配してたの?なら連絡くれれば……」 「べ、別に心配とかしていわよ!」 あ、そーですかぁ…… ちょっとガッカリしたのは内緒。 「……私はただ休む時間も必要かなーって思っただけで……わ、わざと!わざと連絡入れなかっただけだもん!」 ……ん? まさかこれが世に言うツンデレか!? 一体どこでこんな高等テクを身につけたんだこの子は! 可愛いじゃないかけしからん!もっとやれ!
/205ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加