運命――

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転生の事実とこの世界、俺の立ち位置、現状、やり方を聞いて『ご質問は?』と閉められる。 大体の要点は押さえられていたから理解はしやすかった。 ただ腑に落ちない一点…… 「リアルはどうなってる?」 『リアル……ですか?』 何かあるのか、少し困り気味に返された。 レーナはハッと何かに気付いたような顔してるし。 確かにやってたネトゲの世界で興奮はする。 むしろ小説とか読み物でしか知らなかった転生まで体験させられたから普通ならハイテンションになるはずだ。 恐らくゲーム好きなレーナもそうだろう…… が、あくまでここはゲームの世界であって『現実』じゃない。 だから現実であるリアルがどうなっているのか、知りたくはなる。 『君たちは……『居なかった』事になってるよ』 だから、その一言で何かが否定された気分だった。
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