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幼稚園以来の遊園地。
まさかアラサーになって社員旅行でこんな所に来るなんて・・・。
「先輩、絶対一緒にジェットコースター乗りましょうねっ!」
今年入社してきた若い後輩にキラキラした瞳でお願いされたら、そりゃあ断れなかった。
人生初のジェットコースター。
最近出来たらしくパンフレットには【開始2秒で時速180km、新しい世界へいざ出発!】の文字。
「先輩、あれ!あれですよ、乗りたかったやつ!!」
まだ少し距離があるのにも関わらずここまで轟音が響いてくる。
「キャー!!!」
他のお客さんのありきたりな悲鳴。
重い足取りでジェットコースターの真ん前まで辿り着いた。
「ちょっと乗る前にトイレ行って来ますね!」
「・・・あ、うん。」
私の前を物凄いスピードで横切って行く物体を真近で見ていよいよ放心状態になった。
どうしよう・・・今更やっぱ無理なんて言えないよな・・・こんな私にだって先輩のプライドというものがあるのだ。
「お待たせしました!よし、行きましょう!」
私の手を引く後輩は何故か入り口とは逆の方向に歩き出した。
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