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「おーいチョロ松、さっきのメール見たかー?」
ガラリとふすまが開き、おそ松兄さんが入ってきた。
「うん。見たけど、あんなのただのイタズラでしょ」
僕はスマホをブンブン振り回しながら言った。
あんなイタズラ、誰が相手にするんだか。所詮、メールを送り付けてきたのはどっかのクソガキ小学生だろう。
どこのだれだか知らないが、そう簡単に大人は騙されないよ。
悪いね、どっかのクソガキ。
「いやぁ、チョロ松。実は、イタズラじゃないみたいなんだ」
「はぁ?どーゆーこと、それ」
おそ松兄さんは頭をかきながら言った。何それ、イタズラじゃない?
イタズラじゃないわけないじゃん。
「証拠はあるの?」
僕がジトオッと見つめると、おそ松兄さんはちょっと居心地悪そうにしながら言った。
「ほら、どっかのグロ小説にあるじゃん。イタズラだと思って信じなかったヤツが、どんどん死んでいくっていうパターンがさ。
とゆーことはだよチョロ松、ここは信じといてこの「王様」ってヤツに従えば命は大丈夫だと思わない?」
どっかのグロ小説って……。
フィクションだろあれは。
仕方なく、おそ松兄さんの強引さに引きずられて信じることにしたけど……。
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