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男に差し出されたカクテルをすぐさま、あおった。
男たちが驚いていた。
ふん、このくらいのカクテル、平気だ。
みると、すみれは飲まないらしく、手も付けようとしない。
「ね、飲まないなら、それ、もらっていい?」
すみれがうなづくと同時に、カクテルをまた一気飲みしていた。
面白くなかった。
彼氏の宮田慶介から怒鳴られたのだ。
「ふざけんじゃねえっ。お前があいつと寝たこと、知ってんだぞ。バカにしやがって」
そう、亜美は大学生の彼の友人と遊び、一晩を共にしていた。
あれほど口止めしたのに、ばらしちゃったみたいだ。
口が軽い男って、サイテー。
この亜美様が、一介の大学生に唾をいっぱい飛ばされて、怒鳴られていた。
そんなこと、絶対に許されない。
亜美はミス城南なのだ。
同じ高校生の男の子たちの憧れの女の子なのだ。
それなのに、敬おうとしないで、怒鳴りつけるなんて。
そう、だからこっちから振ってやった。
どんなに謝っても許してあげない。あんな奴、顔だけなんだから。
いつもの取り巻き、亜香里とカンナを呼び出した。
お金はないから、ちょうど声をかけられた男たちに声をかけて奢らせようとしていた。
交差点で、この冴えないすみれと会った。
この子、ダサい制服姿のまま、沈んだ顔をしていた。
化粧っ気はないし、本当に子供。笑えてくる。
この子たちって、本当に低俗。テレビに出てくるアイドルとか好きになっちゃって、キャーキャー騒いでいる。くだらない。
むしゃくしゃしていたから、このすみれも誘って、とことんからかってやろうと思った。
それで声をかけていた。
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