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亜美たち三人の後ろに、ちょっと大人な男たちが二人一緒だった。
夜なのに、黒いサングラスをかけていた。
それだけでも充分奇妙な感じ。
「この人たち、おごってくれるって。ねっ」
亜美の取り巻きの一人、亜香里が、なれなれしくすみれの腕を組む。
「う、うん」
亜美は美人で有名だ。
今日は化粧もばっちりしているから、大学生のように見える。
他の二人もきれいな格好をしていた。
すごく大人っぽい。
すぐ後ろにいた男の一人が、感心した声を出した。
「へえ、君たち、本当に高校生だったんだ」
すみれはまだ、制服のまま、街を徘徊していた。
すっぴん。
ショートヘアで子供っぽい。
ジーンズでぶかぶかのシャツなんて着ていたら、中学生の男の子に間違えられそうだ。
「どこへ行くの?」
夜の街。
未成年が歩くにはリスキーすぎる。
「うん、ちょっとそこの店。知り合いがやってんだ。安く飲めるからさ。カラオケもできるし、ダンスもできるよ」
そんなふうに男たちが誘った。
未成年なのに。
すみれは制服姿なのに。
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