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夕べだって
散々甚振(イタブ)った筈なのに
もう?
早いな、遠野さん。
しかも、オレ
今日は雨宮さんと【!極密!】の会だからね?
早々には構ってやれないよ?
「遠野ちゃん、かっワイー、代議士先生の次男かぁ!
直の跡取りじゃないから、玉の輿もいいとこじゃない?」
いつの間にか遠野さんの周りにはお姉様達が陣取っていて
「あ、あのっ、ホントに何でもないんです」
「次男の片想いによる奇行?」
「おい、早く仕事に戻れよ、お前ら」
すっかり人気を無くした三木デスクから
再び声がかかる。
「遠野も、下書き早く仕上げろ」
「はい……」
流石、売れっ子
また、引くんだ。
遠野さんはオフィスを静かに出て行った。
三木部長はそんな彼女の後ろ姿を見つめて
大きく溜め息を吐き出した。
ゾクゾク、と背中を這い上がるのは
高揚感。
ああ、やべぇ
血液、集合してきちゃった
遠野さん。
どうしようか。
まぁ、でも
今日は焦らしてみる事にしたんだから
オレも焦らされようか。
あ
メチャクチャ閃いた
イイデザイン
そして
オレのキーのタッチは益々加速した。
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