第2章 草食なオレ

20/36

554人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
そして オレの後ろのドアがノックされ 「入るぞー」 の、後に開けられたソコ そして入ってきたオトコ だけど、気にせず続ける。 「オレの方も、角度、考えときますね」 「あ、……はい」 「おー、ミーティング中だったか、悪いな」 振り返った先には 警戒レベル4の三木部長。 「三木部長、お疲れ様です 大丈夫です、先方の変更、伝えにきただけですから」 オレはサラリと笑い 遠野さんに向く。 「じゃあ、遠野さん、宜しくお願いします」 「はい」 彼女に微笑んで オレは直ぐに半回転する。 「部長、お先に失礼します」 「お疲れ」 オレと入れ違いに彼女に近付く部長。 遠ざかるオレ。 部屋から出る前に 「アイツ、もう描いたのか!」 そんな声も聞こえたが オレは構わずドアを閉めた。 遠野さん、三木部長の毒リンゴには気をつけろよ? 腕時計に目を落とすと ちょうど7分が経過していた。 「やべ」 萌え星人に時間がかかり過ぎて 危うく遅刻するところだった。 彼女といると、どうも時間の感覚が麻痺する 「ド嵌まりだな」 自分の溺れ加減に 自嘲を溢して とりあえず急ぐフリをして 受付へ向かった。
/36ページ

最初のコメントを投稿しよう!

554人が本棚に入れています
本棚に追加