第2章 草食なオレ

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エレベーターの正面 受付エントランスのソファにその姿を見つけて オレは姿勢を正した。 「お待たせ致しました……木本さん」 フワリ、と微笑みながら近寄ると ビクリ、と肩を揺らしオレを振り返る。 バッ、と立ち上がって 頭を下げたまま、なかなかな上がってこない木本さん。 「木本さん、顔、あげてください」 「ごめんなさいっ、新城さんっ」 ……マジで、めんどくせー事、極まりない。 「木本さん、部屋取ってありますから ゆきましょうか」 変わらずにフワリと微笑みながら オレは木本さんを促した。 受付エントランスから一つ上のフロアは 来客用のミーティングルームが連なる。 と、いっても、10部屋くらいしかないが。 第3ルームの扉を開けて木本さんを招き入れた。 「体調はいかがですか?」 オレは、どうぞ、と掌を差し出して 椅子にかけてもらうように示す。 「ほんっとーに、ほんっとーに、ごめんなさいっ」 またガバッと頭を下げたメンドーな女。 もーいーつってんだよ。
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