第2章 草食なオレ

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「あぁ、あの後眠ってしまわれたんで ちゃんと、送り届けましたよ?」 「へー」 「それが何か?」 「家、知ってたんだぁ。あ、新城くんの家?」 下から舐めるように見て ふふ、と笑いながら目を細める。 「いいえ、完全に酩酊されて、起こしても起きなかったので近くのホテルにお連れしました」 ニコリ、と微笑んだ瞬間 「ワォ!」 キラキラと輝く瞳は、噂の種が撒かれた合図。 スピーカーとして働くにはその種を育てないといけない。 「で、でー、でー!?」 ほら、キタ。 バカな女だな。 「さぁ? オレは門限があるので帰りましたが……」 岡田さんも手だけは書類を触っているが 耳は完璧にコッチを意識しまくっている。 マジで、笑える。 「帰ったのぉぉぉぉぉぉ!? なんで、あんた、なんっで帰んのよー」 余りにも近所迷惑な遠吠えに三木部長が釘を刺した。 「雨宮、トークタイムは終了だ」 野太い声は 男の耳にも色っぽく聞こえて オレは三木部長の横に立つ遠野さんを見た。
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