554人が本棚に入れています
本棚に追加
/36ページ
居心地の悪い電話だ。
通話を終えた後も耳許に掛かった吐息が
音だけの筈なのに、まだ、イタズラをしているようで
オレは
指を耳の中に突っ込んだ。
突っ込むなら
遠野さんに突っ込みたい……
遠野さんに感じた違和感を払いたい。
そして
今のところ、相手の出方を待つしかないのか、という
悔しさが残る。
とにかくだ、まず、この
大それたリークを部長に伝えよう。
オレは大っぴらに情報を流す事にした。
誰だか分からない中で探りを入れるのが
馬鹿馬鹿しく思えたからだ。
「三木部長」
紙の束を掴んで立ち上がり
オレは三木部長と、遠野さんの元へ歩いた。
最初のコメントを投稿しよう!