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「はー、スッキリ
じゃ、飲もっか!新城さんはお酒、飲めるの?」
ケモノ視線を一転、キャハー、と笑いながら
溜め息を付き
「あー、緊張したぁ
新城さん、おっとこ前なんだもん、直視これ以上無理だわ」
今度はアハハと大きくのけ反り
側に置いたバッグからガサガサと取り出したのは
へ○リーゼ。
呑む前に飲む、といった類いの肝臓保護液か。
「もー、先輩、もたなさ過ぎ!
ごめんねー?新城くん」
「……いえ、大丈夫です」
変わらず、ユルリとかわす。
「あ、今の本気だから!
本気だけど、今は返事聞きたくないの!
だから!2、3日考えるフリ、しといて!」
木本さんは、カリ、っと瓶の蓋を回し開け
中身を一気に煽った。
待ち合わせたのは
創作フレンチのレストラン。
ここは木本さん、彼女のスペースデザインのモノだ。
「先輩さ、新城くんの木質見てビックリしたんだって」
「そうですか」
「ホントはね、言っちゃダメなんだけど……」
木本さんは早速運ばれてきたばかりの
ワインを水のようにごくごくと飲み干しながら
オレに向き直った。
彼女の‘素’はコッチらしい。
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