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話が弾み出してしばらくした頃
「じゃあ、先輩、先に失礼しますよ」
オレの隣で立ち上がった雨宮さんは
既に鞄を掴んでいた。
「あー、そぅか、うん、ありがとね」
「新城くん、先輩を宜しくぅ」
……厄介事を押し付けられた。
真面目にめんどくせぇ。
木本さんは新しいワインボトルを片手に手を振っていた。
「雨宮さん、お疲れ様でした。気をつけて」
めんどくせぇ素振りをチラリとも見せずに
オレは微笑んで、彼女を見送った。
「あの、木本さん」
さて、めんどくせぇのをさっさと片付けちまうか。
振り向いて
オレは驚愕する。
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