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で、このめんどくせーオッサンの扱いはどうしようか。
シン、と張った空気。
先に居心地の悪さを感じたのは、やっぱり専務の方だった。
「おい、ジョー」
「ぶっ」
「だから、笑うなって言ってんだろ」
「いやっ、ぶはっ!……つい、久しぶりに呼ばれたんで……」
ジョー、か。
大学時代のオレのアダ名。
っていっても、こう呼ぶ人は専務、二ノ宮先輩だけだったけどな。
「なんですか、二ノ宮先輩」
まだ、薄ら笑いの残る揺れる肩を見ながら話かける専務の声は、普通の男子に戻っていた。
「遠野ちゃんの事、知りたくないの?」
「は?そこ?今さら?」
この人は本当に変わっていない。
まるで子供のようだ。
教えない、と言った癖に実際はめちゃめちゃ聞いてほしいらしい。
やっぱりな。
「二ノ宮先輩、めんどくさい性格、直して下さい。
モテませんよ?」
「うるせーよ、聞きたいのか、聞いてもいーのか、どっちだよ、ジョー」
口を開くと全て笑いになりそうだ。
聞いてほしいなら素直に言えよ。
「で、と、とおの、クッ、ククククク」
やべぇ、専務のクダラナイ言い回しがツボッた。
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