第6章 狡くて賢い女の罠ワナわな(笑)

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で、このめんどくせーオッサンの扱いはどうしようか。 シン、と張った空気。 先に居心地の悪さを感じたのは、やっぱり専務の方だった。 「おい、ジョー」 「ぶっ」 「だから、笑うなって言ってんだろ」 「いやっ、ぶはっ!……つい、久しぶりに呼ばれたんで……」 ジョー、か。 大学時代のオレのアダ名。 っていっても、こう呼ぶ人は専務、二ノ宮先輩だけだったけどな。 「なんですか、二ノ宮先輩」 まだ、薄ら笑いの残る揺れる肩を見ながら話かける専務の声は、普通の男子に戻っていた。 「遠野ちゃんの事、知りたくないの?」 「は?そこ?今さら?」 この人は本当に変わっていない。 まるで子供のようだ。 教えない、と言った癖に実際はめちゃめちゃ聞いてほしいらしい。 やっぱりな。 「二ノ宮先輩、めんどくさい性格、直して下さい。 モテませんよ?」 「うるせーよ、聞きたいのか、聞いてもいーのか、どっちだよ、ジョー」 口を開くと全て笑いになりそうだ。 聞いてほしいなら素直に言えよ。 「で、と、とおの、クッ、ククククク」 やべぇ、専務のクダラナイ言い回しがツボッた。
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