第6章 狡くて賢い女の罠ワナわな(笑)

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「有り難うございました」 ちゃんと送り届けてもらったのは家の前。 オレのマンションを知ってたんだな、と思うと気味が悪い。 「連れ回して悪かったな」 「いえ、キョーチャンにも会えて楽しかったですよ?」 ニッコリと笑った後、頭を下げた。 「遠野さんに伝言は?」 「は?」 「今からオレらはラブタイムなんで」 唇を緩ませて 「電話されても出られませんからね?お伝えする事があれば、どうぞ?二ノ宮センム」 「テメェ、わざと煽りやがって……」 笑う。 「では、また、明日」 車から下りて、パタリとドアを閉め手を振ると また、静かに窓が開いて地響きが聞こえる。 「……あんまり無茶な事して壊すんじゃねぇぞ、ジョー」 ああ、面白い。 専務の多彩な芸が見られた事にまぁ、ヨシとして ゆっくりと走る去るそのボディを見つめた。 「さて、濡れて飛べなくなってるかな?」 専務との絡みをどう、遠野さんに伝えようかと そればかりを考えながらエレベーターに乗り込む。 途端に無機質な匂い。 だけど、頭の中での想像から遠野さんの匂いに変換されて オレの身体は既に思春期の中学生バリに跳ね上がった。 「あぁ、オレって変態」 息を鼻から吸いながら、満足する。 誰も乗り合わせてなくて良かった。 エレベーターの扉が開いてオレを送り出す。 気忙しく歩き、徐にチャイムを押すと 少しの間の後、ドアレバーがスゥと下がりソコが開かれた。
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