第9章 オレの素性②

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「遠野さん」 「はい」 「キス、してい?」 半ば振り返った愛らしい蝶々のその面前で舌を靡かせる。 「出して」 アカク染まっていく肌が、PCの青くて白い光にやんわりと写し出され、それがまた オレをソソル。 口を開けて、舌を出す行為なんて 大人になってからはなかなか頻度が減っただろうと 思われ しかも、ヒトから言われてスルのは なんかしらの羞恥があるはず。 だけど、キミには、感じるだろ? オレの上に乗ったキミの脚に、キュと籠められたのは 身を固くする動作。 「舌、出して」 優しく囁きながら 絶対の命令を下すのは オレもキミも満たす、愛の印。 微かに開いた唇からソレが覗く。 「もっと」 ベロリと出したのは、オレので 見本を見せただけのソレを直ぐにしまい 「もっと出せるだろ?」 右手で背中をさすりながらやっぱり威圧する。 悪いけど、もう勃ったよね、オレ。 「舐めるときは、そんなんじゃないだろ」 睫毛が震えて 遠野さんご自慢の舌技が繰り出されるソレが 長く、ユルユルと伸びてきた。
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