第9章 オレの素性②

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舌同士を合わせるなんて よっぽど好きじゃないとできなくね? よっぽど好きなんだ、遠野さん。 オレはそんなもん通り越してもうかなりマニアの域まで達してると思うよ? いや、達したいよね。 「んっ」 ベロリと舐めて繋がる細く伸びた粘着力のある唾液。 わざと、そうなるように彼女の目にもとまるように そうして、見せつける。 恥ずかしくて、引っ込めようとするのを チュル、と吸いながら阻止 「まだ、だぁめ」 出して。 小さな声で囁いて また、同じ事を繰り返す。 「いや?」 今さら、聞く?オレ。 フルフルと首を左右に振る ウルウルとした遠野さん。 「好きだ」 そこに出された舌を全部含んで自分のものと絡ませた。 いつの間にか舞台は整っていて ソファの上で、座ったまま抱き合い 遠野さんはオレと繋がり、また果てしなく疚(ヤマ)しい腰つきで身体をぶつけてくる。 「しん、じょ、さんっ」 「……う、ん?」 もう余裕もへったくれもあったもんじゃない。 こんな事をサレて、シテ、余裕ぶっこく暇がある奴を見てみたい。 「ちょ、ヤバい、遠野さん」 「んっ、んっ、んんん」
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