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「ま、昔話は省くとして」
「残念」
「彼女が接触してきた理由は会社の内情を聞き出す為、だったんだろうな」
「へぇ」
少しの笑いを含みながら応えると
専務の顔が悔しそうに歪む。
「今思えばやけに根掘り葉掘り聞かれたような気がすんだよな」
「へー」
オレの相槌は気に入らないらしい専務、
イチイチ、ギロギロとよこしてくる視線に
本格的に嫌悪が混ざりだした。
「アイツもデザイン目指してる、って言ってたから
別に気にしなかったけどな」
「そうですか」
「ジョー、お前を嵌めようとしたのは会社に関係あんだろ」
「多分……」
「多分て、今さら何、出し惜しみ?」
バシ、と肩に置かれた掌がみるみるうちに
オレに侵食を始めた。
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