第11章

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「……」 おい。 もう、いねぇし…… 二度寝をやらかして目覚めた時には既に飛び立った後。 なんだよ、続き、何時までお預けなワケ? 布団の中では、朝の営みがもう始まっていて 素晴らしいくらいに聳(ソビ)えている。 オレ、メチャメチャ若いね。 冷やかしながら布団を抜け出した。 「さみぃ」 足早に部屋を出て隣に踏み入れば 人の気配と温まった空気を感じる。 「新城さん、おはようございます」 「遠野さん、おはよ」 キラリと光る笑みにちょっとだけ下がったメガネ。 ランドリーケースを抱えて 彼女はこっちに歩いてくる。 ああ、洗濯してくれたんだな、と ベランダに視線を飛ばした。 「いつも有り難う」 「はい」 通りすがりを抱き締め 冷たい空気を一枚纏った遠野さんの香りを吸い込む。 「寒い?外」 「はい、だけど、いいお天気ですよ」 ケースがオレの後ろでゴロリと音を立てて転がった。 次いで背中に回される腕。 「今、何時?」 「はちじ、過ぎです……」 そうなの? と、呟いて 身長差を埋めるように屈み、キスをする。 「じゃあ、デートしよっか」 目の前でどんどん綻んでいく遠野さんの マヌケな感じでズレたメガネを抜き取り 今度は、本格的に唇を奪った。 あんまり突っ込み過ぎるとよくないからね ほどほどに、と自制をキメながら なんとか離れてみるけど 目に飛び込んでくるのは 甘い、甘い、蕩けた瞳と 誘う、誘う、アカイ唇 「ねぇ、遠野さん」 右手を取って導いたのは フルに勃起を果たした逸品。 「欲しい?」 蕩けた瞳を隠した瞼。 また開いた時にはその潤みは増していて それに反応する、どーしよーもないオレは 彼女の手の中でピクリと勝手に蠢いている。
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