第11章

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遠野さんがどうしても、と言って やって来たのは総合エンターテイメント施設。 「一度来てみたかったの!!」 キラキラと光る たくさんのライトが目映く取り込まれた瞳。 そこにワクワクを詰め込んだまま オレを見上げて、レンタルシューズのマジックテープを調節する。 「新城さん」 「……なに?」 「負けませんから」 キミは……結構闘志メラメラガールだったんだな、と 隠れキャラを発見。 オレに構わず、マイボールを探しにゆくあたりも なんての? もう可愛いとしか言いようがない。 3つの穴がトライアングルを作るソコに指を入れる。 最近じゃどこでもそうだけど ちゃんと左利き用のモノも用意されていて 「まぁ、突っ込みたい穴はこれじゃないんだけど」 メラメラガールの隣にそれを置いて座り込むと もう、画面にアップされた キミとオレの名前。 「じゃあ、遠野さん、お手柔らかに」 カーソルが点滅しているのは オレの名前。 「こちらこそ」 にこり、と笑った遠野さんは クイ、と紅い縁のメガネを上げた。 なんて可愛いんだ。 「遠野さん、上手なの?ボーリング」 「は?まぁまぁ、です」 とは、言うもののメラる闘志といい、宣戦布告といい どう見たってちょっと得意気らしい。
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