第11章

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たまに 遠野さんにオレを呑ませて その後に貪る口腔と口腔内は たくさんの遺伝情報を死滅させないように 乾燥と空気からそれを守る液体のアジがする。 不味いんだ、めちゃめちゃ、マズイ。 不味くないの? 頭皮に両手を滑らせて 撫でながら愛でる。 オレのしでかした変態かつ痴漢行為を 拭う、遠野さん。 愛しいとしか、言いようもなく。 ジン、と痺れる身体のある部分が 腹の奥を燃やす。 チリチリと音がたちそうな程。 自然の光の中で繰り広げられる 浅ましく、淫猥で苛虐なこの光景は オレの人生の中でも、トップテン入りするだろう。 あぁ、ますます離せない。 ブルリ、と震える。 ゾクリ、と毛羽立つ。 「……分かる?遠野さん」 頭を撫で見下ろすのは睫毛。 長く、濃いそれは彼女の丸い瞳を100倍煌めかせる 重要アイテムだ。 「オレ中学生並みじゃない?」 「……ンんっ」 遠野さんの舌を、歯を、粘膜を押し退けて 膨らんだそれは、また今から数多くの遺伝情報を排出するために 興奮する。 「遠野さん」 引き剥がして 座り込んだオレに 「ね、オレどんどん変態になる」 頬を包み仰向かせ 口づけて 「どんな事があっても 離さないけど……イイ?」 丸い瞳の中で瞳孔が小さく変化する。 人間の身体はそこかしこで正直に反応する。 「もう手離せない」 凄い勢いで潤んだそこは瞬く間に溢れ 零れていく。
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