第11章

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「連絡が来たかどうかは知らないけど…… あの先生んとこは、もうダメ。 もちろん、次男はもっとダメ」 そりゃ、何にも言えなくなるわなぁ。 「それから……その小川の事で聞きたい事がある お前、遠野さんの事も売った? ってゆーか、何やったの?」 「……」 「脅す、とか盗む、とか 何やってんの?ねぇ」 一歩 一歩 詰め寄るオレに少しだけ引きつった顔を見せた四賀は バン、と机を叩いて立ち上がった。 定規とディバイダーがその上から跳ねて床に落ちる。 「うるさいよ、新城!」 鞄を取り出してこっちを見た四賀は 「帰る 話があるなら、明日にしろよ」 「明日じゃ遅い お前のやった事は犯罪だからな?」 「は?」 「ベイエリアの図面とデザインを木本さんに渡したのは、勿論。 遠野さんに昔話を持ちかけて小川に靡くように手配した事も勿論、そして結果的に小川に暴行されそうになった訳だ じゅうぶん幇助(ホウジョ)や教唆の対象になる」 「……なっ」 「木本さん、もう偉い人になっちゃったから お前なんて切り捨てんのは簡単なんだよ 小川だって余罪だらけだからね、そんなヤツの所為だけにはできないよ 四賀」 ギリ、と奥歯を噛んだであろう音がオレにも聞こえてきた。 「なんで真面目に線だけ引かなかったんだ」
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