第11章

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お前、ちゃんと設計できんだろ。 四賀はオレを見たまま何も言わない。 「じゅうぶんやっていけただろ」 何を吹き込まれたのか知れないが 「今だって抱えてる物件山ほどあるだろ」 それなのに何で 「バカなマネばっかしてんじゃねーよ」 「うるさい」 つまんない事で自分の価値を下げる訳? 「うるさいよ、新城 マジでうるさい」 「うるさくねぇ、ちゃんとカタつけろよ四賀」 「……辞めれば文句ないだろ」 「そーゆーの、逃げる、ってゆーんだよ 辞める前にやる事あんだろが」 盛大な舌打ち。 苛立ってるのがあからさまになってきた。 「社長と専務もこの事は知ってるよ ……だけどあえてオオゴトにはしないそうだ 礼ぐらい言えんだろ」 「……」 「遠野さんにも謝罪しろ」 「は?」 「は、じゃねぇよ、お前、犯罪だからな 婦女暴行」 また、は?と口元だけを丸く開け こっちを見て 「バカじゃん?どんだけ昔の話だよ新城、アレは どうみても、誰が見ても同意の」 ‘ガン’ 机を蹴っ飛ばしたのは勢いだけじゃない。 「バカはお前だ、四賀」 オレ、結構ここまで怒るの、久しぶりなんだけど あぁ、やべぇ。
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