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「お袋のようにはなりたくない、ってな」
人間は常に誰かの所為にしたがる生き物だ。
それは幼い頃は特に感情の赴くまま
そして、歳を追う毎にズル賢く変化する。
時にはそうする事で底力を出せたり
出来なかった事を成し遂げたりもする。
「彼女は可哀想だった、いつまでも手にする事のできない
遠野卓也を想い、眠りつくその日までヤツを辿ったんだから
かえって尊敬する、遠野卓也の何がそんなに良かったんだろうかってな」
凄いよな?
純愛だろ?
ポツリと呟きを付け足して
会議室の白い天井を見上げた。
「事故の事を興信所伝いで調べてもらい、八雲社長の事を知った。
男なんてみんな似たような事をそこかしこで犯してる
事実に笑ったよ」
「だから、八雲も木本さんも、遠野さんも絡んでる
ここで全部丸め込んでしまおうと思ったんですか」
「人聞き悪いなぁ、新城」
あまり見た事のない部長の笑顔が
さっきからチラチラと炸裂する。
「建築を希望したのはまぁ、一理にはなるかもしれないが
八雲に入ったのも、ここでこうしてるのも
巡り合わせだよ」
八雲も木本さんも遠野さんも関係ないとしたら
もう決まってね?
あんたがワザワザ
こんな事をする理由。
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