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穏やかに新しい年を迎えて
今年こそは、目立ったゴタゴタもなく
何事もうまく運ぶように、ああ、それと
遠野さんの健康も、よくよく願いたいものだ。
普段なら、神頼み的なものには興味はないが
今年は別。
まだ神様の前では願ってはいないが。
「……年明けそうそう、お前がいるのは
不愉快だな」
「専務、そんな爽やかな顔で毒を吐かないでください」
「まぁ、致し方ないよ、新城くん」
「そうですね、すみませんお呼び立てして
……うちの母がどうしても、専務も、なんて
我が儘を言ったばかりに」
並んで座る中間シートで、専務とオレは静かに
お互いが虚勢を張る。
「遠野さん、ご気分は大丈夫ですか?」
「はい、有り難うございます、堺さん」
前のシートではにこやかな、朗らかな小春日和。
「いやぁ、新城くんのご実家に伺えるなんて
光栄ですねぇ!」
「そうですか、それはよかった」
「おにいちゃん!」
刺々しく言う専務に一喝するのは遠野さん。
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