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向かい合わせで泡まみれになる
遠野さんとオレの
いやらしいこと、厭らしいこと。
「……遠野さん、そこばっか洗わないで?
デちゃうから」
完全にモードが切り替わっちゃった遠野さんは
言わずとも掌を滑らせてあれやこれやで放出を促しているのは間違いなかった。
一方のオレは
焦らし中。
泡を作ってなすり付け
だけど直には触れずにキャンバスに広げる。
身体を爪先が、指先が掠める度に
少し捩らせ、焔が灯っていく。
官能に色付く遠野さんは、とてもお腹に子供を宿しているだなんて、思えない。
神聖でいて、卑猥。
「んっ」
キュッ、キュ、と動く身体が鳴らすのは
底冷え防止の為に敷いたマット。
「あぁ、……デるから、ストップ」
遠野さんの手の動きはどんどんその速さを増し
ボディソープの滑(ヌメ)りとは明らかに違う滑りを
誘いながら確実に締め上げる。
「ほら、流すよ?」
まさぐる掌を掴み、それでもオレを離そうとしない
悪い蝶々。
シャワーを頭から被らせた。
流れていく泡の終わりに、白くてピンクに染まった肌が
露になっていく様子が確実に脳内を侵す。
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