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「ダメじゃん」
「ほんと、ですね」
「ダメダメ」
「だって、新城さんが!」
「あー、人の所為にするんだ」
「だって、これ!」
「これって?なに?」
遠野さんのお尻の下に
オレの熱の塊。
「途中でオレに跨がったりするからでしょ?」
「もぅ!」
「しょうがないだろ?」
わざとそれを揺すり擦り付けた。
「正常な証拠」
乱れた髪を整えながら
形のいい頭に掌を添える。
「伯父さんも言ってたでしょ、たくさん愛してやって、って。
これ、オレの愛の塊」
抱き寄せて、圧迫しすぎないように
抱き締めて。
「……愛しくて、堪んね……」
首筋に埋めたそこで
痕をつける。
「……2日、連絡しとくよ」
凭れかかる遠野さんを離したくはないけど
「はい」
やっぱり最後はこうなるんだな。
「……う゛っ」
ガバッ、と離れて
パタパタと駆けていくその先は
遠野さんの今一番の大親友が待つ、その個室。
大変なんだな、ほんと。
「ムードもあったもんじゃないな」
和やかに、自然に笑う。
オレはスマホをとり出し
堺のアドレスをタップした。
遠野さんの願いを叶える為に。
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