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厳選して
厳選して
なんとか内輪で本当に内輪で済ませたかった。
だから、全てが内緒。
深夜0時に婚姻届を不備なく提出して
滞りなく誓いの儀式を終え
負担がかかる披露宴はカット。
その代わりに開いた食事会。
「ごめんなさい、基本的に宴会好きな血筋なんだと
思うんです……」
遠野さんがお皿にのったパイナップルを頬張りながら
そんな風に笑った。
すっかりパイナップル好きになった遠野さん。
食い過ぎだろ、ってなぐらいのパイナップル女。
うちの親族は甚だしいほど宴会家族だ。
ジジィから、伯父連中、その一味に至るまで
そりゃ、凄い賑わい。
なんせ、ホテルのレストランを昼から全日貸しきりにしてしまったんだから。
だけど
「楽しそうでよかったよ」
遠野さんの一味もなかなかのもので、引けをとらない。
早々に切り上げてきた、最早宴会は
主役がいなくなっても成り立つだろう。
遠野さんとオレはホテルの部屋で寛ぐ事を優先する。
同じ刻印を分けたリングが与えられた薬指同士を絡ませて
一生涯の変わらない愛を
未来永劫、行けるところまで
誓い、そして交わす。
何も遠慮する事はない。
やっと全部手に入れたんだ。
「悠」
「んっ」
「はる、か」
「んんっ」
悠の全てに舌を通わせ包むように抱いた。
ナカに入るのは本当に久しぶりで
押し入った瞬間にぶちまけそうになる。
そうなるのを防ぐために、厚めの帽子を被ってみたんだけど
無意味。
多分、悠とオレのセックスは
脳で感じる部分の方が多くて
身体で擦って与え合う程度のモンじゃないんだ。
繋がっている。
心も、身体も
「あぁ、……全部、ヨスギ
動かなくても、イキそ……」
決して早い方じゃない。
どちらかといえば、勝手にコントロールして
無茶をするタイプだった。
「っ、ぁぁ 」
「はるかっ」
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