第16章 紡がれる生命の神秘

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「あんまりつっ突いて、起きちゃったら困るから」 「ぁあぁぁぁぁぁっ」 浅く滑らせた利き腕の長い指が 畝と畝の間を引っ掻き 蠢く筋肉に呑み込まれそうになりながらも その位置でオカす。 「悠は本当にエロいなぁ……ココも凄い」 「きゃ、ぅ」 「あ、ごめんごめん、あんまり弄ってたら イッちゃう?」 音が飛び散るくらいに盛大に抜き 半透明の大小のドームが纏いついた指を眺める。 「中で泡になってる」 また、前触れもなく突き刺し撹拌しては 掬い出す。 ‘濡れる’と簡単に言われるけど ココで起こっている事は 全部、全部自然に仕組まれた狡猾な罠だ。 命を繋ぎ、取り込む為の 狡くて 浅ましくて そして、高貴な罠。 誘う為の罠。 雄の脳にしか分からない匂いを散らし 傷がつくのを防ぐ為に 善くなる為に涎を溢れさせ それを見た雄を奮い起たせ 最終的には絞りとってしまうぐらいの 圧縮と脱力を見事なバランスとタイミングで披露する。
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