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エピローグ
あの後、彼は息を引き取った。いや、私が殺してからもう死んでいたか。
その大きな木の下で私の墓場の隣に彼の墓場が並んでいる。
遺体も中に埋まってる。
だから今はあの世で仲良く過ごしている。
ところで朱美さんはというと、まるで彼のことを忘れたかのようにほかの彼氏と付き合い結婚した。さらには二人の子どもを養った。男の子には智久、女の子には友希と名付けた。彼女は気付いていない。それが私たち夫婦の名前であることを。だからといって私たちは彼女の家族に幽霊として取り付くことはしない。彼女たちが墓場に来ることは一度もなかった。
まぁ、とにかく私たち夫婦はあの世で仲良く過ごしているのだ。
(完)
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