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「それは、まあ……、仕方が無いから時々なら……。香澄叔母様が選んでくれたみたいだから、一度も着ないで捨てたりしたら、後味が悪いし…………。あ、でも毎週とかは無理よ!? これは何かの記念日とか、ごく偶にですからねっ!」
急に必死の面持ちで主張してきた真澄に、清人は堪え切れずに失笑し、頭を撫でながら真澄を宥めた。
「分かった。その方がありがたみが増すからな。その時は散々焦らされた分可愛がってやるから、取り敢えず今日はもう寝るぞ」
「……っうぅ、はい」
色々と反論したい事はあったものの、ここで変な方向に話を持っていかれるより、大人しく寝てしまった方が得策だと思った真澄は、素直に頷いて目を閉じた。
その様子を微笑んで眺めていた清人も、疲労の度合いとしては真澄のそれと大差はなく、ほどなく夫婦揃って穏やかな眠りについたのだった。
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