君色想い

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そうなんだ。琉聖くんに感じるものは他の人には感じなかった感情や欲で。きっとこれは俺が琉聖くんのことを“好き”だからなんだと思う。こんな年になって今更だけど、はっきり言い切れないのは、初めての感情で自分自身戸惑ってるからなのか。 まあ、そんなわけで久しぶりに立花くんも見学に来ているからってことで、その辺のことを色々聞いてもらいたくて、ジョーの控室に突撃したわけだけど。 俺の話を聞いてジョーは未だに刺々しいし、立花くんはなぜか嬉しそうに笑ってるだけで俺の求めていた答えをくれないんだ。 「前に立花くんが言ってた俺の欲しいものが意外と近くにあるっていうのは彼のこと?」 「さあ、それは僕が答えることじゃないですよ。誰かに言われて気付くんじゃなくて、保科さんが自分で気付かなきゃ意味がないです」 立花くんはニコニコしながらも俺に甘い答えは与えてくれない。 確かに、立花くんの言う通り第三者に答えを求めるのは間違いなのか。俺が自分自身で気持ちを見極めなきゃ、過去と同じ過ちを繰り返すだけ・・・なのかもしれない。 「うーん、そっか。そうだよね」 「はい。そうです」 なんとなく納得できた気になって、呟いた俺に立花くんは微笑んで頷いてくれた。その笑顔は邪な気持ちのない今の俺にも十分可愛く見えて、思わず抱き締めたくなっちゃうほど。 「おいっ、あんた!何やってんだよっ!!」 つい欲求のままギュッと立花くんに抱き着いたら、ジョーが空かさず叫んで大慌てで俺と立花くんを引き剥がしに来た。 その慌てぶりが可笑しくて、引き剥がされまいと立花くんを更に抱え込む。俺よりずっと小さな立花くんは俺の腕の中で暴れてる。それでも叩いたりされないのは、俺が面白がってやってるってわかっているからだろう。
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