二章

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次に、二階を見て回った。 二階には、客室のほかにロビー、洗面所、トイレ、娯楽施設などがある。娯楽施設には、卓球台や囲碁・将棋盤が置かれている。ゲームはないようだ。 「お、卓球台があるな。よし、夕飯食い終わったら卓球やろうぜ」 と、神藤が興奮しながらいった。 「そういえば、会長って中学のときは卓球部なんでしたっけ」 伊藤が訪ねる。 「ああ。これでも県ベスト8までいったんだからな」 「それはすごいっすね。俺も元卓球部なんですよ。ぜひ対戦しましょう」 「いいぜ。楽しみにしてるよ」 伊藤と神藤はそんな話をしながら熱くなっていた。 式は、その光景を見て他人とコミュニケーションをとってみようと思った。式は昨日の榊の言葉を思い出していた。勇気をだして、一歩を踏み出す。式は、近くにいた松田に話しかけてみた。 「ま、松田先輩は、中学のときはどんな部活に入っていたんですか?」 「ん?俺は中学のときは柔道部だったよ。まあ弱小校だったし、俺自身もあんまり強くなかったから成績は大したことないけどな。柔道がやりたかったってよりは、柔道部にあった筋トレマシンを使いたかったってのが本音だったんだけどな」 「筋トレ好きなんですか?」 「ああ。ミステリーと同じくらいにな」 そんな感じで松田と話した。 「じ、じゃあ沖田先輩はどんな部活に入っていたんですか?」 「私はチア部に入ってたよー。主に運動部の試合のときの応援をしてたんだ」 「応援ってどんな感じでするんですか?」 「フレー、フレー、とか、頑張れ、頑張れ、とかそんな感じだよー」 そんな感じで沖田と話した。 「吉野先輩は…?」 「私は文芸部だったわ。そもそも私がミステリーにはまったのは中学のときに部活でミステリー小説を読んだからなの」 「他にはどんな本を読んてたんですか?」 「そうねえ…私はもともと小説全般が好きだったからほとんどのジャンルは読んだことあるわね。ファンタジーとか恋愛とか、あとライトノベルも好きよ」 そんな感じで吉野と話した。 いろいろな人と話し終えた式は、達成感で満たされていた。
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