三章

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「そういえば、この紙灯篭の他にもいくつか聞きたいことがあるんですけどいいですか?」 「どうぞ」 「まず、旅館内の灯篭はすべて明かりは電球なんですか?」 「はい。消防法により、室内では火を明かりとして使うことは禁じられておりますので室内はすべて電球で灯しています」 「そこにある竹灯篭や石灯篭は火なんですか?」 「その通りです。外にある灯篭はこの紙灯篭を除いてすべて火が明かりとなっております」 「明かりって何時につけるんですか?」 「夏は18時に、冬は17時につけることになっております」 「あと、これは少し失礼なんじゃないかって思うんですが、この旅館の経営が厳しいって聞いたんですが、それは本当なんですか?」 「…そうですね」 角田の歯切れが悪くなる。
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