三章

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公園に案内された式たちは、公園にある休憩所で小休止していた。 「ここって結構広いんですね」 「うん。私も驚いちゃった。健康のためにランニングでもしてみようかしら」 「あんまり無理はしないでくださいね」 「あらひどいわね。私が若くないみたいじゃない」 休憩中に、式はそんな話を佐倉先生としていた。 式自身もよくわかっていないことだが、同年代の学生とは緊張してしまうが、なぜか大人とはある程度話せるようだ。 式は、公園の案内板を見てみた。この公園は外周がジョギングコースになっているらしく、内側が多目的広場になっている。多目的広場には芝生が生えていて、寝そべると気持ちよさそうだ。 他のみんなはどうしているのかというと、角田と榊と吉野は同じく休憩所で談笑している。沖田と松田はジョギングコースで走っているみたいだ。神藤と伊藤は多目的広場で寝そべっている。 旅館からこの公園にくるのは最短距離で15分程度だが、森林をあちこち歩き回ったので、この公園に着く頃には旅館を出てから1時間近く経っていた。 式はふと腕時計を見た。もう4時を過ぎていた。 「もう4時すぎですよ。何だかんだいって時間が経つのは早いですね」 「そうね。楽しいことばかりだから、あっという間に過ぎちゃった」
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