四章

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旅館に戻った式たちは、まず沖田を部屋に連れて行ってベッドに座らせた。 「ごめんね、式くん。いくら軽いとはいえ、大変だったでしょ?」 「いえ、大丈夫ですよ、おかげで先輩ともいろいろ話せましたし」 「あはは。ありがと」 「角田さんが救急箱をもってきてくれるみたいなのでしばらく待ちましょう」 しばらくして、角田が到着した。 「これで大丈夫ですね」 「何から何まですみません」 角田が処置をしてくれた。 「歩けそうですか?」 「ちょっと待ってて…よいしょ」 沖田は立って歩いてみた。 「うーん、何とか歩けるかな」 「よろしければ杖を持ってきますが」 「使ったほうがいいと思いますよ」 「そうだね…よろしくお願いします」 しばらくして、角田が杖を持ってきた。 「これからなんか予定とかあったっけ?」 「特にはありません。夕食とお風呂があるくらいですよ」 沖田の質問に榊が答える。 「そっか。今は…5時前か。じゃあ夕食まで少し寝てようかな。夕食って何時からですか?」 「7時となっております。6時からお風呂もご用意できますが、いかがなさいますか?」 「汗もかいたし、お風呂にも入りたいんだよね…やっぱ6時になったらお風呂に入ります!」 「承知いたしました。では私は5時から準備のため、失礼いたします」 角田は部屋から出て行った。 「じゃあ、俺たちもそろそろ出るか」 「そうですね。あんまり大勢でいても沖田もゆっくり休めないだろうし」 「みんな心配かけてごめんね。この埋め合わせは必ずするから」 「おう。楽しみにしてるぜ」 「それより、早く治しなさいよ」 ミス研の会話の様子を見て、改めてこのメンバーは仲がいいんだな、と式は思った。
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