四章

7/10
前へ
/40ページ
次へ
式は、緊急用のライトを借りて森林と公園を見に行った。 森林は人が歩ける場所の範囲で探したが、見つからなかった。 「沖田先輩はまともに歩ける状態じゃなかった。じゃあここにはいないのか…?」 公園に来てみたが、やはりどこにもいなかった。 休憩所にもいた形跡はない。つまり、森林と公園には来ていないということだ。 旅館に戻った式は、他の皆の状況を聞こうとしたが、あることに気が付いた。 「……?」 大きな紙灯篭の色が、薄い赤色に変わっていた。 (これって…誰か旅館の人を連れてこなきゃ) 式はたまたま近くにいた角田に紙灯篭のことを話した。 「確かあの紙灯篭の色が変わるときって、火が燃え移ったときなんですよね?」 「ええ。ですが、電球を使っているので色が変わるなんてことはないはずなのですが…」 「もしかしたら、電球がショートしたのかもしれません。あるいは何らかの原因で火がついたのかも。とにかく調べてみましょう」
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加