四章

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沖田がいなくなっただけでも大変なのに、火事まで起きてしまったら大惨事だ。 式たちは、灯篭に近づいた。 そのときに紙灯篭が不気味なシルエットを浮かべ、回っていることに気が付いた。 「中に何かはいっていますよ。おそらく、これが火が燃え移った原因でしょう」 「ええ。開けてみましょう」 角田が灯篭のファンを取った瞬間、式たちは驚愕した。 そこには、バラバラになった人間の手足と胴体が乱雑に置かれていた。 「きゃあああああっ!」 角田が悲鳴をあげた。 式は焼死体をちらりと見た。さすがに直視はできなかった。見てみると、焼死体の胴体の腹部に大きな傷が見えた。 (あれは…開腹跡?) あの開腹跡が何なのか触って調べてみたかったが、勇気が出なかった。 「おーい、大変だ!」 そんな時、後ろから大声が聞こえた。 誰の声かはわからなかったが、声の主は式たちのもとにきた。 「こんなとこにいたか、式。大変なんだよ!」 「こ、こっちもですよ、神藤先輩」 声の主は神藤だった。 「い、伊藤が…伊藤が死んでいるんだよ!」 「え!?伊藤先輩が!?」 「ああ。103号室で殺されていたんだ。とにかく来てくれ」 「で、でもこっちはどうするんです?」 「だ、大丈夫です、式様。私が何とかしますので。警察にも連絡してみます」 そういう角田の声は震えていた。焼死体を間近で見てしまったのだから無理もない。 「警察に連絡って…できるんですか?」 「はい。緊急用の電話がありますので、そちらで連絡できます。この館では、何人も人が亡くなっていますので緊急用を用意したのです」 「じゃあそっちは角田さんにまかせよう。急ぐぞ」
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