Ⅰ タックス・ヘイヴンの島国

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ーー人類の変化に、神は驚愕(きょうがく)しているのではないだろうか? 己の(わず)かな油断の間に生まれて走り始めた人類の欲望が、傲慢(ごうまん)(いまし)めるために与えたはずの言葉の差異というリミッターを(てこ)にして激しい対立をつくり、独自の思想と文明を増長させたことに。 そして、繰り返される戦いが、青い地球とその世界を破壊し尽くしてしまいそうに見えることに。 しかし、別な考え方もある。 人類の文明とそれに付随する戦いは、神の実験なのかもしれない。 人は、平和のために闘ったりはしない。それぞれの欲求や欲望を満たすために殺し合っている。 神は、それら全てを承知しているに違いない。 大きな宇宙の中では、それも取るに足らない小さな実験なのに違いない--
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