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「しばらく日本で遊んできたらどうだ。俊哉と飽きるほど遊んでくればいい」
「俊哉には会いたいけれど、萌奈美さんがいい顔しないのよ」
萌奈美は息子の妻で俊哉の母親だ。いつの時代になっても嫁と姑の確執はなくならない。それは神が人類に与えた試練なのかもしれない。
「気のせいじゃないのか?」
気休めだが、そう言わざるをえない。自分の言動が、どこでどう独り歩きしてしまうかわからないからだ。
もし黙っていたら、千恵美は自分の気持ちを正当化するために、夫も萌奈美のことを意地の悪い女だと思っている、と息子や嫁にそれとなく伝えるだろう。
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