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求められるのは人を慈しむ優しさと命を摘み取る責任。大衆を導く者として厳格であれ。司祭は元より、教会関係者ならば誰しもが持つ常識である。 常識であるのだが。 「ユノー、朝食まだー?」 どこにでも例外は居るものだ。ミサの最中に関わらず礼拝堂の扉を開いて現れたのは一人のシスターだった。寝癖だらけの髪を掻きながらベールもかぶらず服の裾を引きずっている。司祭がたしなめるように咳払いをするが全く気にすることもなく大きな欠伸をすると。 「できればハーブも何枚か欲しいんだけど。昨日飲みす」 「ソリティアッ、ミサッ、ミサッ」 「うーミサならとっくに終わって……ないね。日曜かっ」 部屋の奥に並ぶシスターの一人、ユノが慌てて彼女を外へと摘まみだし、自身もそのまま礼拝堂から出ていった。
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