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ソリティアが聖ルミエル教会のシスターとなり3年と5ヶ月。対レギオンとの戦闘においては前衛を務め、他に類を見ない勇猛な働きをする。と言えば聞こえはいいが、実際はそれしか出来ないと言った方が正しいだろう。戦略や戦況を見定めるのが苦手で、力任せに突っ込んでいくしかないのだ。 それでも、体格は恵まれているのでそこそこの成績を納めている。背が高く鷹のように鋭い瞳と凛とした顔立ちで、黙っていればどこぞの王族と言われても納得してしまいそうな雰囲気を持っていた。 生憎と中身は残念なので馬子にも衣装と言われる着こなしさえ出来ていないのが、毎回注意をするユノからしたら勿体なくて堪らなかった。 というのも、ユノはそんな恵まれた成長をすることもなく、低身童顔、縄をかけたらそのままストンと落ちてしまいそうな体型のままここまで育ってしまったからだ。 ソリティアがユノより二つも年下という事実も彼女のささやかな希望を打ち砕く。腰まで伸ばした長い髪は可愛いではなく綺麗といって欲しいのだ。 その分、中身は磨いてきた自信があり、見た目にそぐわぬ知識、礼節を身に付けていた。戦闘ではその博識を活かして後方支援を担当している。と言えば聞こえはいいが、身体的に劣る彼女では前衛にたっても役に立たないのだ。
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