プロローグ

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そして彼女は死んだ。 身は朽ち、衣服は燃え上がる。自分を取り囲む殺意と眼光。炎は慟哭となり響く。恐怖と憎しみとが混ざりあい魂が枯渇していく。全てが灰へと変わっていった。 もはや呼吸はなく、最期に見たのは複数の影から少し離れて立つ二人のシスターだった。仲間であり、そして敵になった。 悪魔に取りつかれたのだ。 しかし私には殺せなかった。二人は仲間なのだ。殺せる訳がない。例え命と引き換えだとしても。 友達なのだ。 彼女の意識は、そこで永久に途絶えた。
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