第1章

4/5
前へ
/5ページ
次へ
ここで推理に戻る。 北朝鮮に拉致された曽我さんは、佐渡島の人であり、佐渡島は「順徳天皇」が流されて亡くなった地でもあり、順徳天皇の血筋が残っていても良い土地でもあるから、天皇家の血筋を求めて拉致したのかも知れないと思う。 俺の両親の家系の話から考えても、日本には天皇家の血筋でありながら、権力から離れて千年とかの家が沢山ある事が判る。 遺伝的に、父系のDNAと母系のDNAは継続される遺伝情報が異なる事が知られてきた。 母系では、全世界の人類の始祖は、アフリカ南部に生まれた1人の女性に行き着くとされ、これを「イブ仮説」というそうだ。 父系の場合は違う。 父系だけに継続される遺伝情報があるのだという。 つまり、競馬で重要視される血統は、根拠があったという事なのだ。 競馬の場合、優秀な血統の牝系でも、種牡馬の選定を間違えたら、その駄目な血統のダメージを払拭するのが難しいという。 そう、父系とは、それなりの重みがあったのだ。 しかし、地方に散った父系の血筋は、その地方の一般人の血と混ざり、だんだん拡散していく。 古代から権威&権力の周辺に貴族社会が形成されたのも、血筋の濃度を保つという側面を考えたら、必然的な事だったのだ。 古代の兄弟婚や甥や姪婚や従兄弟婚も、父系血脈の継続と補助の観点からは、理に叶っている事だったという事ができる。 勿論、血が濃くなると弊害があるから、人類は経験からそれを避ける術を獲得してきたのだろう。 そこで京都に注目すると、京都ならではの血のスペック機能があるのだろうと思われる。 江戸時代には、天皇家の子孫が出家した『門跡寺院』というシステムがあったし、その門跡の御落いんがいてもおかしくない。 その場合、この子孫は皇族には成れないが、血筋としては凄いという事になる。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加